産業保健チームの立ち上げ
企業内には産業医の設置が義務付けられており、産業医は従業員の健康管理や疾病の予防などに努めています。
最近は、企業で「健康経営」への意識が高まっていることから、産業医に加えて保健師なども雇い入れ、さらに健康戦略を強化している企業も増えています。
しかし、大規模な企業などは、産業医と産業保健師だけでは、従業員全体の健康を管理したり把握しておくことはなかなか難しいものです。
そこでオススメなのが、産業保健チームを作成して企業の健康活動を行うという方法です。
2019年3月に厚生労働省が「産業保健活動をチームで進めるための実践的事例集〜産業保健チームを効果的に活用しましょう!〜」というレポートを上げています。
社内担当者とも連携
産業保健活動のチーム化とはどのようなものかというと、産業医を筆頭に産業保健師や看護師、衛生管理者、その他社内の各専門職による担当者で組織されているものになります。
産業医と産業保健師がペアになっているケースというのは多く見られますが、衛生管理者に加えて社外の専門職の人たちや、医療や保健を主な仕事とはしていない社内の各専門職を保健担当者としてチームに取り込んでいることが大きな特徴と言えます。
社外の専門職の人たちとは、歯科医師や公認心理士、精神保健福祉士や労働衛生コンサルタントといった職種の人たちです。
これらの人たちは、産業保健師のように常時企業内に勤務するわけではなく、必要に応じて助言を行います。
また社内の各専門職とはどのような人材かというと、たとえば現場での作業主任や人事労務担当者等などが当てはまります。
作業主任は、現場での作業の指揮・監視を行いながら、安全対策などに関する問題点の洗い出しなどを行います。
人事労務担当者は従業員と産業医・産業保健師との仲介や各部署間との調整などを行い、スムーズな産業保健活動が行えるようにサポートを行います。
これらたくさんの人材をチームとして立ち上げ、安全衛生委員会などで活発に意見交換をすることでより良い産業保健活動を行うことができるのです。