金融の中心地
日本橋重厚な趣のある建物と、近未来的な超高層ビルが入り混じって形成されている日本橋エリア。数多くの企業や店舗が立ち並ぶ、日本の商業・ビジネスの中心のひとつです。
そんな日本橋エリアには、さまざまな業種の企業・お店が集まっていますが、もっとも多く目につくのは証券会社かもしれません。
というのも、ニュースなどでよく目にする東京証券取引所は、日本橋兜町に位置しており、東京証券取引所を中心として数々の証券会社がこの地に日本橋の賃貸事務所・オフィスを構えているからです。
野村證券の本店となる日本橋野村ビルディングなどは、日本橋エリアに古くから立地する歴史ある建物です。
今後は再開発の一環としてリニューアルなども予定されているようですが「自由様式」などとも呼ばれる独特の雰囲気をもったこの建物は、2012年にはDOCOMOMOJAPAN選定日本におけるモダン・ムーブメントの建築にも選ばれました。
また、周辺の通り沿いには、道の両側に証券会社の看板が連なる光景が見られるスポットもあります。
まさに金融の中心地としての日本橋の景色と言えますが、最近はその証券会社の看板にも外資系のものが増えているのは、時代の流れというものでしょうか。
製薬会社が多い日本橋
また、日本橋エリアは古くから金融以外の商業も栄えてきたエリアです。
江戸時代などは、日本橋エリアの中でもそれぞれの区画ごとに特定の業種の職人やお店が集まっていたため、いまだにその名残が感じられるエリアも少なくありません。
たとえば、日本橋エリアには、証券会社以外にも、製薬会社がたくさんあります。
第一製薬や武田薬品など、有名な製薬会社の本社をこのエリアで目にすることができます。
これは、もともとこのあたりに薬問屋が多く集まっていたことに由来するようです。
1687年に刊行された『江戸鹿子』という書物には、江戸には36件の薬種問屋・製薬屋があり、医者の数は72にのぼったという記録が残されているようです。